「月刊コンクリートテクノ 6月号」(第43巻第6号2024年6月1日 セメント新聞社発行)に「設計熱伝導率という新しい考え方!」の記事が掲載されました

2024年06月13日

「月刊コンクリートテクノ 6月号」(第43巻第6号2024年6月1日 セメント新聞社発行)に、弊社 取締役副社長 美寺寿人(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 客員研究員)が、【設計熱伝導率という新しい考え方!~未利用熱エネルギーの活用に資する高熱伝導コンクリート~(NETIS登録番号HR-230007-A)】のタイトルで寄稿しました。

【内容】

とかく、新しいことを始めるには、困難なことが多くあります。その中でも、一番の制約(ボトルネック)は、「今までやったことがないから、やめておこう。」とか、「設計要領には、そう書いていない。昔からこのやり方でやってきた。」などという考え方です。「高熱伝導コンクリート」という新しい技術を理解していただき、昨冬、現場で実証実験を行うことができたことは、新潟県見附市役所の方々のチャレンジ精神によるものです。この場を借りて御礼申し上げます。
1. 開発の背景と目的
路面融雪施設のロードヒーティングにおけるコンクリート舗装は、交通の安全性や快適性の向上という基本機能に加えて、放熱管を防護する耐荷機能と放熱管からの熱を路面に伝える熱伝導機能を有しています。一般的にコンクリートの熱伝導率は1.6 W/m·K と言われています。
「もし、コンクリートの熱伝導率が2 倍、または3 倍に、つまり放熱能力が2 倍、3 倍になるとどういうことが起こるのでしょうか。」
強固で耐久性が高く、重負荷や摩擦に強い特徴がある従来のコンクリートの機能に、新たな機能を持ったコンクリートを開発して、その価値が社会に受け入れられれば100 万円/m³の生コンがあっても、良いのではないか?という素朴な思いから、新たに熱伝導性の高い機能を加えた新しいコンクリートを開発することに、5 年前からチャレンジしました。
本稿では、昨年10 月に国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録された「高熱伝導コンクリート」の技術概要と昨年の冬に新潟県見附市で行った実証実験等について紹介します。

月刊コンクリートテクノ6月号